商品説明
内容
雑誌『躍進』(佼成出版社刊)で連載されていた「釈尊のご生涯を訪ねるロボット童子の旅」の書籍化企画です。
悟りを求めて師を訪ね歩く『華厳経』の善財童子にあやかり、ロボット工学の権威である森政弘氏が、
現代を代表する仏教学者や宗教学者(計14人)と
対談を重ね、釈尊の生誕から入滅までの生涯を訪ねます。
本稿では、釈尊在世当時のインドの文化的背景を鑑みながら、出家、悟り、布教伝道、入滅に至るまでの釈尊の心情の変化なども考察。
その内容は、
仏教学の各分野に精通した学者との対話によって釈尊の生涯や人物像を克明に描くだけでなく、
釈尊が発見された真理の核心を現代に生きる人間にあてはめて究察し、かつ仏教が現代に伝えられていることへの意味にまで言及する奥深いものです。
多角的に釈尊の生涯を分析し、人間が生きることの意味をも明らかにした点で類書と差別化を図っています。
本稿の構成は、【童子敬白(釈尊の悟りへの道程を辿っていく上での森氏の心情)】→【釈尊伝のストーリー】→【森氏と学者の対話文】を繰り返しており、
読み進めやすさを考慮した。
ロボット工学の研究を通して人間についての理解も深めてこられた森氏が、仏教の研究を始められた当初の原稿であり、
探究によって生じる疑問を次々と解き明かしていくプロセスもまた一興です。
刊行に寄せて——森政弘
著者紹介
森 政弘(もり まさひろ)
1927年(昭和2年)、三重県に生まれる。名古屋大学工学部電気学科卒業。工学博士。
東京大学教授、東京工業大学教授を経て現在、東京工業大学名誉教授、日本ロボット学会名誉会長、中央学術研究所講師等を務める。
ロボットコンテスト(ロボコン)の創始者であるとともに、「不気味の谷」現象の発見者であり、約50年にわたって仏教および禅の勉強を続け、
仏教関連の著作も多い。
紫綬褒章および勲三等旭日中綬章を受章、NHK放送文化賞、ロボット活用社会貢献賞ほかを受賞する。
おもな著作に、『機械部品の幕の内弁当――ロボット博士の創造への扉』『作る! 動かす! 楽しむ! おもしろ工作実験』(ともにオーム社)、
『今を生きていく力「六波羅蜜」』(教育評論社)、『親子のための仏教入門――我慢が楽しくなる技術』(幻冬舎新書)、
『退歩を学べ――ロボット博士の仏教的省察』『仏教新論』『般若――仏教の智慧の核心』(ともに佼成出版社)等があり、
共著書に『ロボット工学と仏教――AI時代の科学の限界と可能性』(佼成出版社)等がある。
備考
備考