内容
1982年に大法輪閣から刊行されたものの復刊企画。
日本人にとって仏教は、日常生活のすみずみにまで仏教が浸透している――嘘つきは地獄で閻魔さんに舌を抜かれる。
四苦八苦。馬の耳に念仏。袖すり合うも他生の縁――仏教のものの考え方が諺となって日常生活にはいっているものもあれば、美術・建築に仏教の影響のみられるものもあります。
また帝釈天や鬼子母神といった、インドの神さまが仏教とともに伝来したものもよく耳にします。
本書では、そうしたわれわれになじみの深い仏教の世界と、そこに生きる存在をとりあげて、それがどんな意味をもっているかを明らかにしていきます。


目次
１迷える神々
・阿修羅
・閻魔王
・鬼子母神
・七福神
・聖天
・帝釈天
・天人
・天魔
２地獄と極楽
・地獄
・十界
・娑婆
・須弥山
・浄土
３苦悩する存在
・天邪鬼
・餓鬼
・畜生
・人間
・羅漢
４仏教の世界観・人間観



著者紹介
ひろ さちや
大阪府大阪市に生まれ、北野高校を経て、東京大学で印度哲学、仏教学を学び、気象大学校で教鞭を執る。
教員生活の傍ら、「ひろさちや」のペンネームで平易な言葉で多数の入門書を執筆し、一般の人々に仏教を身近な物として再認識させた。
ペンネームの由来は、ギリシア語で愛するを意味するPhilo（フィロ）と、サンスクリット語で真理を意味するsatya（サティヤ）の造語である。本名名義での著書・訳書もある。
超宗派の仏教信者の集まりである「まんだらの会」を主宰していたが近年「まんだらの会」活動を終了した。
本来の仏教を伝えるべく執筆と講演活動を行なっている。
東京都内の自宅にて肝臓がんのため2022年4月7日（木）に死去。85歳没。