商品説明
あの名講義がいま、ここに!
1979年に刊行され、長く大学のインド哲学科の教科書として使われてきた『インド哲学史概説』の新装改題版。「インド哲学」の起源からヴェーダ・ウパニシャッド文献、自由思想(反ヴェーダ・非婆羅門思想)、ヒンドゥー教の形成、六派哲学の成立までを解説するとともに、各領域の研究史や学説を註(傍註)によって紹介する。参考文献・年表・索引つき。
■著者プロフィール
1927年-2009年。埼玉県に生まれる。東京外事専門学校(現東京外国語大学)蒙古科および東京大学文学部印度哲学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程単位取得満期退学。文学博士(東洋大学)。専門はインド哲学、仏教学、密教学。大倉山文化学院研究員、東洋大学文学部教授などを経て東洋大学名誉教授。妙楽寺(東京都八王子市)住職などを歴任したほか、1967年に日本印度学仏教学会賞を受賞する。著書や論文が多数ある。
■目次
新装改題版の刊行にあたって
新版の序
はしがき
第1章 インド哲学史の内容と研究方法
インド哲学史の内容
インド哲学史の研究方法
第2章 アーリア人以前のインド
インドの遺跡と先住民
インドの先住文化
第3章 アーリア・インドの成立と発展
アーリア人のインド定住
カーストの成立
カーストの実態
カーストに関する諸理論
第4章 アーリア思想の成立と発展
第一次ヴェーダ思想の成立
第二次ヴェーダ思想の発展
第三次ヴェーダ思想の発展
第5章 自由思想の胎動と開花
仏教に先行する自由諸思想
ジャイナ
仏陀および仏教
第6章 伝統的思想の再編成
ヒンドゥー教の形成
六派哲学の成立
インド古代哲学の夕ぐれ
参考文献
インド哲学宗教史年表
索引
インド思想史地図
■編集者コメント
「インドにおいては、哲学的思弁はつねに宗教的内容をもち、また宗教的思索の多くは哲学性を帯びている」(本書第1章より)
わたしたちが現代社会において「常識的」な日常生活を営むときに、論理的であることと非論理的であることが同居したまま成立している、という状況は想像しにくいものです。しかし、たとえば恋愛、親子関係、病気を患う等々にまで想像を膨らませていくと、論理と非論理との境界線は明確でなくなってくるでしょう。
本書『古代インド哲学史概説』巻末の年表は「紀元前3000年 インダス文明」から始まります。何千年にもわたって、インドの人びとが信仰・信心に基づく「宗教」と、それを言語や概念をもって説明・論証しようとする「哲学」との間を行き来してきた足跡を辿ることを通して、わたしたちは常識に囚われない生き方を知ることができると思います。
備考
備考