商品説明
内容
本書は著者が仏教評論家として世に出始めたころの書籍ですが、内容・文体は古くなく、むしろシャープ。
「仏教名作シリーズ」の第2巻目です。
村のはずれのお地蔵さん、いつもにこにこ見てござる…日本人の心象風景のなかに脈々と息づく「お地蔵さん」。
お地蔵さんは仏ではなく、菩薩である…これを主題にして、「娑婆」=この世=無仏の時代にどう日本人は仏教徒として生きるべきかを提起してゆきます。
目次
復刊のまえがき
序章 いつもにこにこ見てござる
第一章 お地蔵さんと現代
1 とかく人の世は住みにくい
2 宿縁すでに熟せり
3 われも汝を罪せじ
4 今年はじめて末法に入る
第二章 菩薩とお地蔵さん
1 われを冥途の父母と……
2 地蔵さんは頭が丸い
3 未来の仏にまします
4 衆生を哀れむが故に……
第三章 お地蔵さんの出現
1 地獄の底へ参りましょう
2 すでに天に再生せり
3 母なるが故の罪業
4 無限に母的なるもの
5 偉大なる精神は両性を具える
第四章 地獄のお地蔵さん
1 われに代りて苦を受ける
2 一人の小さき僧
3 ヤマは今日死んだ
4 他人を裁くことはできぬ
5 六道能化の地蔵さん
第五章 娑婆とお地蔵さん
1 友の憂いにわれは泣き
2 涙にぬれた天使の翼
3 この世は地獄なり
終章 これはこの世のことならず
賽の河原地蔵和讃
著者紹介
ひろ さちや
大阪府大阪市に生まれ、北野高校を経て、東京大学で印度哲学、仏教学を学び、気象大学校で教鞭を執る。
教員生活の傍ら、「ひろさちや」のペンネームで平易な言葉で多数の入門書を執筆し、一般の人々に仏教を身近な物として再認識させた。
ペンネームの由来は、ギリシア語で愛するを意味するPhilo(フィロ)と、サンスクリット語で真理を意味するsatya(サティヤ)の造語である。本名名義での著書・訳書もある。
超宗派の仏教信者の集まりである「まんだらの会」を主宰していたが近年「まんだらの会」活動を終了した。
本来の仏教を伝えるべく執筆と講演活動を行なっている。
東京都内の自宅にて肝臓がんのため2022年4月7日(木)に死去。85歳没。
備考
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